海外で約300名のリファラル採用に成功する会社、フランジア。その秘訣と会社の魅力とは?

海外進出を考えている、あるいはすでに海外進出を果たしているスタートアップの方々は多いのではないでしょうか?しかし、初めて海外進出する際、海外での人材採用が大きな課題の一つであるのも事実です。そこで、ベトナムを中心に東南アジアで海外での人材採用に成功している株式会社フランジアさんが導入しているリファラル採用について、人事の松山さんに、お話を聞いてきました。

松山2

海外での人材採用に成功している会社、フランジア。どんな会社?

まずは、フランジアさんについて教えてください。ベトナム等東南アジアの諸国では確固たるブランド力を築いているとお聞きしていますが。

フランジアでは大きく分けて三つの事業を行っています。一つ目がオフショア開発ですが、基本的に日本以外の拠点でオフショア開発を行っています。日本のクライアントさんのモバイルとウェブのソフトウェア開発を行っています。二つ目がコンサルティング事業ですが、これは日本国内のみで行っています。

具体的にはウェブマーケティング、ビジネス、HRに関してコンサルティングを行っています。三つ目が教育事業で、具体的にはアジアの理系大学で日本語とITを教えています。ハノイ工科大学に通う優秀な成績を収めた学生を対象に行っており、卒業前には日本で働くことを希望している学生に向けての就職支援も行っています。ベトナムの優秀なエンジニアを採用したいと思ってくれている日系企業さんがたくさんいらっしゃるので、その企業さんたちを招いてジョブフェアも開催しています。この活動が口コミでハノイ以外の大学にも伝わり、複数の大学での連携が決まったところです。

フランジアさんではどういった人材を採用しているのですか?

フランジアグループでは各国におけるローカルでの採用と、日本に住む海外拠点で働きたい日本人の採用を行っています。(厳密には国籍は気にしていないですがわかりやすく書きました)私が担当しているのはベトナムのローカル採用と、海外拠点で働きたい日本在住の日本人採用です。ローカル採用は新卒と中途の両方を、日本人採用はインターンと中途採用を担当しています。採用するポジションの80%がエンジニア職です。

フランジアの開発はRubyがメインになりますが、Python, Java, PHP, .NET, C言語, Unity, iOS, Android等、幅が広いです。日本語も英語も必須ではありません (もちろん通訳など必須なポジションもあります)。ベトナムや日本だけでなく様々な国籍の社員がいますが、共通しているのは自発的で、ITで面白いことをするのが好きということ、そしてアジアをITで盛り上げ世界にイノベーションを起こしたいという気持ちだと思います。

現在の採用状況を教えていただけますか?

フランジアは2016年で4年目を迎え、現在はグル―プ全体で700名です。一番人数が多いのがベトナムのハノイオフィスで567名です。2016年の6月1日にオープンしたダナンオフィスは52名、ホーチミンオフィスは積極的に採用はしておらず5名です。インターン、新卒、中途含めてベトナム拠点では毎月10~40名新しいメンバーが入社しています。社員からのリファラル入社が流入経路の中では一番多く、全体の39%です。そのおかげもあり、離職率は7%と低い数字を保っています。フィリピンのセブオフィスには10名、バングラデッシュのダッカオフィスには20名がいます。

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全体の採用の39%を占める現地でのリファラル採用の実績

採用方法はどういったものがありますか?

新卒採用でいうと、大学を通しての採用が日本より圧倒的に多いですね。大学内にリクルーティング専門の部署があり、そことの連携が大切になってきます。そこで働いている学生もいます。東南アジアに共通している点ではあるかと思いますが、大学側が学生の就職活動に非常に協力的であると特徴があります。無料で講座を提供したり、様々な行事や運営に協力していますが、これからも強固な関係性を築き、保つことはかかせません。

逆に、新卒向け民間サービスは少ないです。求人媒体、スカウト系メディア、OB/OGイベント、合同説明会はほとんどないです。なので大学でのセミナー等で作ったネットワークを生かしSNSでプロモーションをして自社でイベントを開くことが多いです。

中途採用はあまり日本と変わらないです。求人媒体、人材エージェント、ジョブフェア、ミートアップ、テック―トーク、ハッカソン等イベントの主催や協賛ですね。

リファラルを通して何人くらいの人材を獲得したのでしょうか?

新入社員の39%がリファラル採用です。フランジアは日本ではまだまだ知名度が足りませんが、ベトナムのハノイではある程度のブランドを確立してきました。エンジニアにとって面白そうで、技術を磨けそうで、世の中に価値のあるプロジェクトしかやらない、という社長のスタンスと、どれだけ人数が増えようとフランジアカルチャーをなくさないように、更に良くしていこうとするメンバーの努力がこの39%という数字と7%という低い離職率に表れていると思います。

※フランジアでの社内運動会の様子13937756_1115586248477203_5132601378322465079_o

リファラル採用の導入経緯

ものすごい成果が出ているリファラル採用ですが、そもそもなぜ始めようと思ったのですか?

優秀な人の周りには優秀の人が集まるということは良く耳にすると思いますが、その通りです。そしてこれはどこの国においても言えることです。優秀な人が求人媒体から来る可能性が低いというのも良く聞くと思いますが、優秀な人は引く手あまたなので、自ら探しに行く必要ないケースが多いです。これらのことは当たり前ですが、人事を担当していると改めて実感することでもあります。

そう考えると、自分の会社で活躍しているメンバーからの紹介は、見つけるまでの時間、約束にありつけるまでのコスト、初めて会ってから打ち解けて信用してもらうまでの時間等、色んな面で効率が良いです。もちろん、良い人材を探し行ったり、お互いを知るためのお話や、会社のアピールは人事の面白みです。ですが、一人の人事が出来る量には限りがあります。特別な理由や他の企業さんとは違ったきかっけはないですが、リファラルにすることで、ミスマッチをふせぎながらもっとたくさんの人を集められるので始めました。

具体的にお話しますと、フランジアの場合は日本に留学していたベトナム人エンジニアを多く採用しています。彼らのほとんどがリファラル採用です。日本への留学中、同じ故郷から集まっている仲間とは必然的に仲良くなると思います。外国にいる分、ベトナムでの就職に関する情報が届きにくいですから、卒業してベトナムに帰ってきた先輩がまだ日本にいる後輩に生活のアドバイスをしたり就職のアドバイスもします。紹介する人と紹介される人は遠く離れていますが、離れているからこそ人と人のつながりが強くなってリファラルが生きるケースもあります。

 

リファラル採用が機能するための施策とは?

リファラル採用を行う時の基本的なプロセスはいかなるものでしょうか?

ATS(Applicant Tracking System)を使っているので、応募するときにリファラルであれば紹介したフランジアメンバーの名前を入力してもらいます。SNS連携もしているので誰のSNSページから応募してきたのかも分かります。そして、職種ごとに面接がありますが、その後の選考フローは一般の応募と一緒になります。

リファラル採用を機能させるために行っていることはありますか?

1つは通年のリファラルポリシーと期間限定のキャンペーンとで報酬を分けていることです。ベトナムの転職繁忙期やボーナス前の停滞期に合わせて紹介料を増やしています。まだまだそれでも、人事がメンバー1人1人に連絡して紹介のお願いをしたりとアナログで地道なこともたくさん行っています。リファラルを活性化させるために一番大切なのは、現存のメンバーがリファラルをしたくなるような会社づくりであることは間違いないので、そこに注力すると同時にリファラルのプロセスやメリットを更に明確に簡単にしていきます。内部からのリファラルだけでなく、フランジアのメンバーでない人からのリファラルも増やそうと努力しています。

※MIP(活躍賞)、MER(優秀レポート賞)、5S(整理整頓賞)などの表彰も行う社内文化とのことです14188225_1126146817421146_1891009834946629956_o

リファラル採用の魅力

ずばり、フランジアジャパンさんにとってリファラルの魅力とは何でしょうか?

どの企業さんにも言えることだとは思いますが、既存の採用手法ではアプローチできない層にアクセスできる、ミスマッチが少ない、ロイヤリティが高い、社員全員が人事になれるということです。これは先ほどもお話した通り、離職率や採用人数にも表れています。

最近はリファラルという言葉がトレンドになってきているので注目されましたが、会社を立ち上げる時、大半の人が自分の知り合いに一緒にやらないか声をかけると思います。それはその人と一緒に過ごした時間や経験から、その人の性格を知っているので「一緒にやりたい」とか「この人なら共感してくれる」とか「この人にならこの仕事を任せられる」と思うのだと思います。自分のフランジアでの体験と、その人と過ごした体験がマッチするというのが実体験で判断されるので、一般的な面接だけでの接点よりマッチ度を判断しやすいです。

 

その他の魅力としてコスト、離職率、タレントの獲得、採用スピードがあげられることが多いのですが、それぞれに関してコメントをいただけますか?

優秀な人材を1人見つけるとその周りが一気に広がります。さらにその1人がその周りで1番優秀だった場合、自社のブランディングにもつながります。結果的に、優秀な人材を発見するまでのスピードが早くなります。

気を付けなければならない点は、報酬を現金にするのかその他のものにするのかということです。これは従業員や会社の国籍や文化によって何が一番効率的なのか変わってくるものなので一概には言えません。ベトナムでは家族を優先する気持ちが日本に比べて強いです。ですので今私が考えているのは家族も一緒に喜んでもらえるものです。まだプランなのでここには書けないですが(笑)

報酬の対象を何にするかも大事だと思います。一般的なのは紹介された人が入社した場合、貰えるというシステムだと思います。それだとジュニア層のモチベーションが下がってしまうケースもあるので、書類が通過した場合は少な目だけれど報酬が貰える対象になる等、考えなければならないことは多いです。

 

まとめ

以上、海外での人材採用に成功している株式会社フランジアさんに貴重なお話をしていただきました。この事例から見えてくる人材採用におけるリファラル採用に関してまとめると、以下のようになります。
リファラル採用での採用比率はなんと39%!
リファラル採用を始めたきっかけはフランジアで求められている人材が非常にニッチであるから。
効果的な施策として時期を考慮したキャンペーン施策が挙げられる。
海外での人材採用においてリファラル採用の魅力は離職率の低さと優秀な人材の獲得。
今後とも先進的な採用を行っている企業様方から面白いお話を聞いていきたいと思います。

ご紹介

松山栞
1991年生まれ、アメリカ・ニューヨーク州出身。早稲田大学国際教養学部を卒業。在学中にカリフォルニア大学アーバイン校へ留学。卒業後は日本の情報通信系商社に入社。国内やインドやアメリカなどの海外の新卒採用を担当。その後フランジアベトナムでも人事として、ベトナムを主に東南アジアで採用を行い、日本人採用は主にインターンを担当している。フランジアの急激な成長スピードに対応した人事部を創るためハノイで奮闘中。

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清水巧

株式会社Combinator代表取締役 「採用をみんなでやる仲間集めに再定義する。」ビジネスで世の中の課題を解決することに興味があります。最近、オフィスでスイカを育て始めました。